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 GHQの農協解体に抵抗した農林省
2015年02月12日 (木) | 編集 |
連載誌に書いた農協解体についての記事の一部を転載します。

一部に大きな誤解があるのは、農協は戦前から組織があり、占領軍がばらばらにしようとしたのを当時の農林省が守ったことです。占領下でも当時の政治家や官僚は出来る限りの抵抗をしていました。

石橋湛山は駐留米軍の経費を削減しようとしました。すると失脚に追い込まれました。それに吉田茂も鳩山一郎も岸信介も震え上がったのです。だからその後の自民党の対米政策は、面従腹背でした。それが中曽根政権以降、どんどん対米従属がひどくなっていきました。



そもそも解散の噂は今年2月頃から流布されていた。首相周辺がマスコミを使ってのブラフではないかと見られていただけに大慌てになるのも無理はない。もちろん解散権は首相の専権事項であるが、山田氏の主張に頷かれる人は少なくないのではないか。前回の選挙から2年。選挙準備が整わない中での解散は、選挙基盤の脆弱な議員・政党にとっては厳しいものとなる。当然、首相はそれを踏まえたうえでの決断であろうが、11月20日の夕刊フジに掲載された安倍首相の独占インタビューが興味深い。

「衆院解散を決断した理由は」との記者の問いに対して安倍首相は次のように答えている。
「国民生活、国民経済に重い決断をする以上、国民の信を問うべきであると決断した。成長戦略には賛否両論がある。法人税減税は、わが党にも反対論があった。医療改革、農業改革、電力改革もそうだ。そうしたものをスピードアップして実行するには、国民の方々の理解と協力が必要だ」(11月18日首相公邸でのインタビュー)。

 つまり安倍首相の解散の意図は、消費増税の延期もあるが、アベノミクスの第3の矢「成長戦略」で、規制改革会議が提言している農業委員会の廃止や農協の解体、電力の全面自由化、混合診療の解禁などを推し進めるために、国民の審判を仰ぐというのである。とくに問題なのは、首相の言う農業改革の中身だ。

■農業は国家安全保障政策
 今年5月22日に政府の規制改革会議が農業改革に関する提言を公表している。このなかで全国農業協同組合中央会(JA全中)の全国の農協組織への指導権限廃止やJA全農の株式会社化などを盛り込んだことに、JA全中が猛反発。自民党内からも急進的な改革を危惧する声が相次いだ。とはいえ、政府の方針に対して対案を示さないのは、座して死を待つことになる。紆余曲折を経て11月6日に自己改革案を発表した。政府は来年の通常国会での農協法改正案を提出する予定である。

たしかに、農業の担い手の高齢化や後継者不足は深刻であるが、農協が地方、とりわけ農村共同体を守る要になってきた役割を否定するのは明らかに行き過ぎだ。零細の家族経営による従事者が圧倒的に多い中で、協同組合を解体し、市場に放り出せば交渉力のある巨大流通企業に安く買い叩かれることになりかねない。

農業についての最大の誤解は、日本の農業は過保護で、農協は守旧派の利権団体だという認識だ。先進国内の農業生産額に占める予算額は、わが国は3割をきっている。英国は約8割、アメリカは6割、フランスでも4割である。それと比較するとかなり低い。しかも英国やスイスなどは農業所得における従事者への直接支払いは90%を超える。

農家を保護することが国益につながるという観点からである。わが国では農家への個別所得補償が民主党政権下で導入されたが、ばら撒き政策だと非難を浴びた。言うまでもないが、産業であると同時に農業は食糧生産を担う安全保障の一翼だ。筆者も農村の出身で、実家は代々農業を営んでいたので、農協の役割や日本国民においしく安全な食べ物を提供したいという農業従事者の思いはよく理解できる。海外産、とりわけ中国産の農産物への不安があるなかで、値段は少々高くても安心安全なものを食べたいという日本国民は少なくないはずだ。そのためにもヨーロッパ諸国並みに保護するべきであろう。

農業改革と称する策動の真の狙いは、JAバンク・JA共済であろう。それを狙うアメリカや日本の金融資本や保険会社が虎視眈々と窺っている。来年のTPP交渉妥結を目指す政府にとっては、TPPに反対する農協は目障りでしょうがない。JA全中の地方組織への指導権限を奪えば、その結束力はたちまち失われると踏んでの動きである。
農協をはじめ各種業界団体は「中間共同体」と呼ばれる。

本誌で連載されている九州大学の施光恒九州大学准教授は、中野剛志氏、柴山桂太氏との共著『まともな日本再生会議』(アスペクト)のなかで、「日本の民主主義は村の寄り合いがベース」と指摘しているが、今でも農村は寄り合いが多い。農協は、その寄り合いの発展形で、地域の助け合いの相互扶助機能を農協は果たしている。

占領下においてGHQは分野ごとの協同組合にすべきと主張したが、当時の農林省が抵抗し、生産販売から金融事業までを営む総合農協形態が守られたのである。それをバラバラにしてしまうのでは、農村共同体の維持が難しくなるのは目に見えているではないか。

農協関係者に話を聞くと一様に懸念を示していた。「このままでは、日本の農業は外国の大企業に支配されかねない」。

提言書を読むと、企業の農地保有を認めるものとなっている。資本力のある民間企業が農業参入を進めるために、農業生産法人の出資制限を緩め、一定の条件を満たせば企業が農地を持つことが可能にする。また、農業委員会は、農地の転用や売買の許認可権限も有することから、政府と大資本の意向を受けた規制改革会議は、廃止の提言を出したのである。すべて戦略的に練られており、このような提言が実現すれば、わが国の農業および地域共同体は破壊される。

喜ぶのはグローバル企業である。彼らは、日本に対してアメリカ政府を通じて様々な要求を行い、それを飲ませてきたが、それでもしぶとく日本独自のルールを維持し続けていることが許せない。総合農協・混合診療の禁止・労働規制を「岩盤規制」などと安倍首相がのたまう背後には、国家を超越したグローバル企業の存在がある。

*以上
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