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 子宮頸がんワクチンの独自救済を阻害する地方議会のオール与党化
2016年02月19日 (金) | 編集 |
連載誌に書いたものです。北九州市の子宮頸がんワクチン独自救済がなぜ実現しなかったのか。

<お知らせ>

今日放送の19時30分~放送の『かんさい熱視線』(NHK大阪)に『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』(集英社)の著者、黒川祥子さんが出演されます。「奪われた青春 ~子宮けいがんワクチン接種後の少女たち~」(仮)(放送域:大阪、兵庫、奈良、京都、和歌山、滋賀)

生放送です。キャスターは麿こと登坂アナウンサー。

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12月1日、塩崎恭久厚生労働大臣が全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会と面会し、ワクチンとの因果関係を調べる研究班のメンバー変更や速やかな救済などを求める要望書を受け取った。福岡県支部が発足してちょうど1年。国や自治体レベルで被害救済が進みつつあるようにみえるが、子供の将来を思う母親たちの不安の声は少なくない。

■世論喚起を求める一本の電話
子宮頸がんワクチン問題を本格的に追いかけて、本誌で取り上げ始めたのは、昨年3月号で書いたように全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の11番目となる福岡県支部が発足したことが契機である。平成25年6月に国が接種推奨を中止して丸2年半が経過したが、今も接種した10代、20代の女性を中心に頭痛やけいれん、激しい生理痛、歩行障害、睡眠障害、さらには記憶消失など深刻な症状が続いている。

筆者が子宮頸がんワクチンを最初に知ったのは、民主党政権発足直後、保守系の弁護士である南出喜久治弁護士が、子宮頸がんワクチンは民族浄化につながると、その危険性を訴えていたものを読んでからである。ただ、当時は関心が他に向いていた。その後、健康被害が報じられ始め、かねてより面識がある東京在住のジャーナリスト、小林久人氏も、熱心にワクチン被害のルポを発表していた。小林氏との縁で、筆者も子宮頸がんワクチン問題に興味を持ち出した。

平成27年1月11日、筆者の実父が癌で亡くなったその日、通夜を終え、弔問客が落ち着いたときに、携帯が鳴った。誰だろうか? 画面に目をやると小林氏だ。お悔やみの電話かなと出てみるとか細い声で「近藤さん、もうたまらないよ・・・」。どうやら話したいことがある様子だった。父親が亡くなり、葬儀を控え、気持ちが落ち着かぬときにと思いながらも、耳を傾けた。小林氏は、子宮頸がんワクチンによる健康被害の少女たちのことを切々と訴えた。世論喚起に力を貸して欲しいという。その場は、ひとまず電話を切ったが、半月後、福岡市内で被害者連絡会の支部が立ち上がると連絡がきた。迷わず取材に出かけた。もし、あのとき小林氏からの電話に出なかったら、その後、この問題を追いかけただろうか・・・

1月31日、福岡県教育会館で全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会福岡県支部が発足し、代表に北九州市在住の梅本邦子さんが就任された。被害者のお母さんだ。人前で、それも大勢の報道陣を前にして、娘さんのこと、ご家庭のことなどを語るのは憚られ、大人でも緊張しただろう。まして年頃の娘さんが、テレビカメラの面前に出るのは勇気がいる。でも、お母さんに「顔を隠したら、どこの誰かわからないじゃない。私だって知ってもらわないと意味がない」と決意を伝えたと聞いて、傍観者でいいのか。書いていくことが支援になる。大人の責任で支えていかねばと思わされた。

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3月号で取り上げて以降も、関係各方面の取材を重ねた。ただ話を聞くだけでは埒が明かない。2月24日、厚生労働省を訪問し、所管の健康局結核感染症課予防接種室の係長を含む関係部局とも折衝をした。被害者連絡会の埼玉県支部長の平原明美さんも参加されたが、他の部局は勢ぞろいするなか、肝心な所管の係長は遅参。真剣にやっているのかと怒りがわいた。
被害者連絡会や支える地方議員などの粘り強い働きかけにより、国に先駆けて横浜市をはじめ、日本南北いたるところの地方自治体から独自の救済が始まった。福岡県にもその流れがやってくるのはそう遠くないだろう。今か今かと待ちわびた。被害者やご家族は私以上の思いだったろう。ほどなく関門海峡を渡ってきた。北九州市である。梅本さんは、連名で市議会に救済を求める陳情書を提出していた。

6月11日、筆者は、梅本さんと北九州市議会を傍聴したが、テレビカメラも入った。この日、市議会一般質問において午前中、自民党・無所属の会所属の村上幸一市議、午後から公明党の木畑弘宣市議から、それぞれ子宮頸がんワクチンによる副反応被害による市独自の医療費助成など救済について北橋健治市長を質した。その答弁は次のようなものであった。
「救済は本来国が行うべきものでありますが、市も接種を勧めてきた立場であり、心を痛めております。国には早急な救済策を要望するとともに、患者本人への聞き取りや医療費を支援しているほかの自治体の例を調査しながら対応を検討してまいります」
市長答弁は、NHK北九州放送局のニュースとなり、翌日の朝日新聞(西部版)、西日本新聞、毎日新聞で報じられた。

■いまだにワクチン接種を推進する公明党
その後、福岡県、九州において最初に独自救済を表明したのは、北九州市ではなく、県南の自治体、大川市であった。当然、政令市で財政力もある北九州市は必ず救済に踏み切ると思っていたら、9月議会会期末になって、国の動向を見守るとして取りやめてしまった。直接的には、厚生労働省の審査分科会が子宮頸がんワクチン被害者に対する審査を再開し、予防接種法に基づき医療費と医療手当の支給を決めるよう認定したからとしている。しかし、北九州市が陳情を採択し、救済に踏み切ろうとしたのを突如取り消したのは、それだけではない。地方行政と議会の独特な関係性が背後にある。福岡県議会もそうだが、北九州市議会も執行部と議会の関係は、オール与党体制だ。どういう根回しがあったかは定かではないが、採択を予定していた梅本さんの陳情書は継続審査となり、市は独自救済を見送ると発表した。まさに、棄民政策としかいいようがない。厳しい立場にある人たちに期待をさせておいて、梯子をはずしたのだから。

北橋健治市長の由来から考えたい。市長就任前は、民主党所属の衆議院議員だったが、もともとは旧民社党に属していた。北九州市は、新日鉄があり、旧民社系の労働組合の影響力が強い。先の市長選では、単独推薦を条件に自民党から推薦を得る一方で、民主党や公明党、社民党、そして連合の支援も受けて、対抗馬に圧勝している。国政では、与野党の関係にある自民党と民主党が北九州市では同じ与党会派なのである。これでは執行部の出してくる議案には、反対は出来ない。しかも公明党は今現在もワクチン接種を否定していない。紙数の関係で深く言及できないが、八女市議会では、12月議会においても公明党議員から子宮頸がんワクチンを推奨する発言が行われている。

先ごろ、梅本さんから高校奨学金のことなどお伺いしたが、自費による医療費や日々の生活もあり、手が回らないのが現実だ。高校卒業後の進路や生活のこともある。一刻も早い救済を進めていただきたい。
暗い話ばかりではない。かすかな光明も見えた。11月10日に、被害者を支援する市民団体から救済を求める要望書が、北九州市および北九州市議会に提出され、同25日には、福岡県知事や教育長、福岡市長などに対しても救済や就学に関する支援を求める申し入れが行われている。応対した福岡県教育庁体育スポーツ健康課の課長補佐は、団体側の単位習得など学校生活に対する要望に対して「現状を把握し、取り組んでいく」と応じている。マスコミも動き、12月に入って、RKB毎日放送が梅本さん親子を密着取材し、8分にわたり夕方のニュースで伝えるなど報道されるようになってきた。

12月11日、民主党県議団の堤かなめ議員の一般質問において、子宮頸がんワクチン問題が取り上げられた。独自救済については言及されなかったが、「国の委員会において医薬品の安全性などの審議が利益相反のない委員によって行われること、予防接種健康被害救済制度などの救済策の改善・強化、支援策を周知する広報体制の充実」などを、県として国に働きかけるよう求めたことは大きい。
子宮頸がんワクチン問題は、堤議員が指摘するように利益相反、つまり利害関係が絡む問題であることが、救済を遅らせてきた大きな原因だ。今も被害に苦しむ少女たちが一日も早く回復することを祈りながら筆をおきたい。
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